自分と向き合うための方法5選
ここまでは、自分と向き合うことの重要性についてまとめてきました。
仕事にプライベートに忙しい現代人にとっては、ゆっくり自分と向き合う時間を取ることはとても大切なことです。
しかし一方で、自分と向き合う時間をつくったとしても、「どうすれば自分と向き合えるのか」「何をどう考えればいいのか」がわからない人も大勢います。
ただ漠然と「考える」といっても、考え方自体がわからなければ、自分と向き合う時間をつくったとしても意味がなくなってしまいます。
ここからは、自分と向き合うための方法を5つ紹介しているので、時間をつくれた人はぜひ実践してみてください。
1、本を読む
自分と向き合うおすすめの方法の1つは「本を読むこと」です。
とはいっても、ただありきたりな恋愛小説や推理小説などを読んでも、自分と向き合うことにはつながりません。
自分と向き合うために読むべき本というのは、基本的に「哲学書」や「心理学」などの実用書です。
現代では「哲学」と聞くだけで、「難しそう」「お堅いイメージ」という先入観があるため、読書として哲学書を読む人はほとんどいないでしょう。
しかし、哲学には自分と向き合うために必要なことがすべて書かれています。
不安だらけの毎日で「どう生きるべきか」
現状への不満に対して「どう向き合うべきか」
自分が本当に求めているものを知るには「どうすればいいか」
多くの人がイメージや先入観だけで遠ざけてしまう哲学書には、こうした問いに対する明確な答えが書かれているのです。
一方、実用書である心理学本には、「人はどういう時にどういう感情になるのか」「自分が本当に感じていることはなんなのか」といった、自分自身の感情や気持ちに対する答えが書かれています。
哲学書も心理学本も、自分自身に対するアプローチの方向性は違えど、「自分と向き合うための本」という意味においてはまったく同じものになります。
自分と向き合って、考え、探求し、理解して、己を知る。
そのための本が「哲学」と「心理学」なのです。
おすすめとしては、哲学では主に古代に書かれたものが一番よく、中でも古代ローマ時代の「ストア哲学」などは、自分自身と向き合うために読むべき本としては最高峰だといえるでしょう。
そして心理学では、ドラマ「嫌われる勇気」などでも話題になった、「アドラー心理学」について詳しく書かれている本を読むのがいいでしょう。
本は、ただ知識をつけたり楽しんだりするだけのものではなく、目的に応じて読むべき本を選択することで、自分と向き合う手助けをしてくれるものになるのです。
2、瞑想する
自分と向き合うための方法の2つ目は「瞑想すること」です。
瞑想というのも哲学と同じく、現代の人たちにはあまり認知されていないと思いますが、最近ではGoogleなどの大企業や多忙なビジネスマンといった人たちの間でも「マインドフルネス(瞑想)」が流行ってきていることもあり、世間では瞑想のメリットや重要性に注目が集まってきています。
実際、瞑想は忙しく多忙な現代人に、非常に多くのメリットを与えてくれます。
1日の中で、ただ自分の呼吸だけに集中する時間をつくるだけで、普段の生活では気づけない、自分の本当の気持ちなどが見えてくるのです。
私たちは普通に生活しているだけでも、毎日とても多くの情報にさらされています。
自分の目で見るもの、聞こえてくる言葉、他人との人間関係、そういったものに触れることで、自分自身では気づいていないかもしれませんが、知らずしらずのうちにストレスを内面に溜め込んでいるのです。
しかし、忙しい毎日を送っているとそんな自分の状況に気づけず、ある日、ふとしたことがきっかけで突然限界がきてしまいます。
瞑想をして毎日自分と向き合う時間をつくるだけで、自分自身のことを深く知れます。
自分は今どんな悩みを抱えているのか、何を考えているのか、本当は何がしたいのか。
目をつぶりゆっくりと呼吸するだけで自分自身に対する「気づき」を得られるのです。
現代人にとって何よりも必要なのは、「何もしない時間」であり、「自分自身について考える時間」なのです。
3、目の前のことに集中する
自分と向き合う方法の3つ目は徹底的に「目の前のことに集中すること」です。
ここでいう「目の前のことに集中する」というのは、ただ今やっていることに対して集中するだけでは足りません。
それをやっていて自分が「何を感じているのか」「何を思っているのか」「何を考えているのか」ということまで徹底的に考えるということです。
一般的に言われている「今やっていることに集中する」というのは、しょせん「余計なことを考えると疲れてしまうから、とりあえず目の前のことだけをやろう」という意味でしかなく、言ってしまえば「ただやっているだけ」であり、それは時間が過ぎ去っているだけなのです。
本当に目の前のことに集中するというのは、やっているときの自分の状態について深く考えるということでもあります。
そしてそれこそが「自分と向き合っている時間を過ごしている」といえるのではないでしょうか。
「自分と向き合う」と聞くと何か特別なことをしなければならないと思いがちですが、実際は、普段あたり前のように過ごしている生活の中でも、自分が「向き合おう」と思えばいつでも自分自身について考えられるのです。
同じような毎日を繰り返していても、特に変わったことなどしていなくても、ただベットの上でゴロゴロしているにしても、いつどこにいようとも私たちは自分次第で自分と真正面から向き合えます。
一つひとつの物事に対して感じることはいつだって違うはずです。
まずは、その一つひとつの感情について深く考えてみてはいかがでしょうか。
目の前のことだけに集中すれば、自然に自分自身についても深く知れるはずです。
4、自分の素直な気持ちに従ってみる
自分と向き合うにおいて、「自分の素直な気持ちに従ってみる」のも時には大事なことです。
自分は今何をしたいと思っているのか、どこに行きたいのか、何が食べたいのか。
そういった小さな自分の気持ちに素直に従って行動してみることで、自分も知らなかった自分の気持ちにはじめて気づくことがあります。
人は誰しも自分の気持ちを押し殺しながら生活しています。
仕事でもプライベートでも、最低限人と関わる以上、自分の気持ちだけに従いながら生きていくことはできません。
しかし、その生活に慣れてしまうことで、いつしか誰もが自分の正直な気持ちを押し殺してしまうようになるのです。
そして自分で自分のことがわからなくなってしまう。
常に自分の気持ちだけに従って生きることは不可能ですが、日々の生活の中での小さな選択の際には、「今」、自分が望んでいる素直な気持ちや感情に従って行動してみてはいかがでしょうか。
私たちは誰もが他人の期待を満たすために生きているわけではありません。
ましてや、他人のために生きているわけでも、他人のロボットでもないのです。
1人1人が自分の意志を持って、「今」という時間を懸命に生きているはずです。
その中で、少しだけでも自分に正直に生きる時間をつくってみる。
そうやって自分と向き合って決断していくことで、私たちの人生はどんどん豊かにもなっていくのです。
5、自分を客観視する
自分と向き合う最後の方法は「自分を客観視すること」です。
自分を客観視するというのは、自分という立場を「第三者」という立場に置き換えて、他人の視点から自分を眺めるということになります。
そしてその視点から自分を眺めることにより、自分が今どんな状況にいるのか、自分の周りはどんな環境なのか、周りと比べてどうなのか、ということを冷静に考えてみるのです。
自分の視点から周りを見渡していても、一体自分がどれだけのものを手にしているのか、どれだけ恵まれているのか、何を持っているのかといったことまで、自分のことを明確に理解するのは難しいでしょう。
人は自分自身のことをわかっているようで、実は一番わかっていないのです。
そこで「他人の視点」という客観的な立場から自分を眺めることで、ありのままの本当の自分の姿に気づけるのです。
客観的な立場から自分を見るときは、自分自身の情報を一切頭に入れずに、何も知らない状態で見ることが大事になります。
しかし、自分は自分でしかないのだから、自分に対する一切の情報を捨てることはできないでしょう。
つまり、客観的に自分を眺めるといっても、結局は「自分視点」の主観的な意見が入ってしまうのです。
ですが、大切なのは実際に「客観的に見ているかどうか」ではなく、「客観的に見ようとしているかどうか」です。
視点というのは自分で変えようと思えばいくらでも変えられます。
「自分と向き合うために客観的に自分を見よう」という意志さえあれば、実際には主観的な意見が入っていたとしても、しっかりと自分を見つめられるはずです。
自分を客観視するのは、自分で自分のことがわからなくなっている、自分を見失っている人に対して、「自分を取り戻す」「自分と向き合う」ための一番の方法になるでしょう。
「悩む」と「考える」は違う
ここまで、自分と向き合う方法を5つ紹介しました。
しかし、何よりも大事なのはその方法を実践して、実際に自分と向き合うことです。
ただ方法を知っただけでは、本当に自分と向き合っているとはいえませんし、なによりそれだけでは知る前と後で何も変わらないでしょう。
方法を知った後はきちんと自分の頭で考えて行動に移す必要があるのです。
たまに、「考えること」と「悩むこと」を一緒にしてしまっている人がいますが、「考える」と「悩む」は違います。
「考える」というのは、グチャグチャに絡まった糸を解く作業であり、「悩む」というのはその糸を絡ませる作業なのです。
自分と向きあうときに必要なのは「考える」ことであり、ウンウン自分自身について悩むことではありません。
悩みは悩むほど深みにハマっていき、長い間悩み続けても答えが出ないことなんて山ほどあるでしょう。
しかし、考えることはそんな悩みの糸を解きほぐしていく行為であり、人は物事について考えれば考えるほどその物事の本質にたどり着くけます。
自分と向き合うというのは、自分自身の中にあるグチャグチャに絡まった糸をほぐし、本当の自分の姿を取り戻すことなのです。
現代人の多くが、「考えること」が嫌いなのは「めんどくさい」からではなく「悩んでいる」からであり、つまりは「考え方を間違っている」ということでもあります。
それではいくら自分と向き合う方法を知ったとしても、自分が求めている答えにたどり着くことはまずないでしょう。
何かについて考えるときは、文字通り「考える」ことを意識し、ただ悩んでいるだけにならないように注意しましょう。
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