Mは大学で、背の高いO君という男性と知り合います。
O君はいつもどこか飄々としていて、みんなのお兄ちゃんみたいな存在。
好かれる理由がわかり、Mもすぐにその人間味を好きになりました(恋愛的にではなく)。
Mは逆にみんなにいじられるタイプ。
背も小さくみんなによくいじられていました。
二人の受けていた授業は実習?というか、どこか外部へ出向いて体験をしてくるものだったようで、二人はたまたま同じところで実習を行うことになりました。
二人で残って日誌を書いたり、ああでもないこうでもないと色々一緒に勉強をしたりしていました。
Mが実習先の担当者に叱られて一人控室で泣いている時も、黙って頭をなでてくれていたそうです。
実習の後、MはO君から食事の誘いを受けます。
そこでMは無邪気に「私はO君のこと、どれくらい知ってるのかな」と夜景をみながらつぶやきます。
O君は他人に内心を悟らせないタイプで、Mは仲良くなるたびO君の心の壁に傷ついていたのだそうです。
O君は何も言いません、夜景を見るMの横顔を隣で見ているだけです。
そしてエレベーターで地上へ降りるとき。
地方都市で、しかも時間帯も遅かったためエレベーターの中は運良くふたりきりです。
Mはエレベーターの窓に近づいて夜景を見ようとしましたがそのとき。
O君はMをぎゅっと抱き寄せ、「もっとオレのこと知ってよ」とつぶやきます。
「オレはMが好きだよ。もっと知りたいし、知ってほしいと思う。Mはどう?」
Mは大きくうなずきました。
【Tさんの場合】「おれのこと、好きになって」
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