まさに「善し悪し」
「良いところ」と言うのであれば、「優しい」とか「力持ち」、「気配りが出来る」などがあり、それらは一つの言葉としてポジティブな意味が大半を占めているからだと言えます。
ですが「几帳面」というのは、単語としては比較的ポジティブな意味合いとなるのですが、人によってはそういう印象を受けない、場合によってはネガティブさが伺えてしまう言葉となるでしょう。
かと言って完全にネガティブではない、もし完全にネガティブな言い回しとするのであれば、「神経質」とかそういう言い回しになると思うのです。
つまり、そこには客観的に見て明らかな長所と短所が入り交じっていることであり、几帳面な性格の人というのは善し悪し、場合によっては良い方向にも悪い方向にも転がるということになるのです。
と言うことで今回、几帳面な性格の長所と短所を挙げさせていただきたく思いますので、まさにそういう性格の人は上手く長所を生かせるよう参考にしましょう。
短所に関しても、客観的に自分を見てそれを理解、自覚することで、改善または昇華出来る可能性を秘めていると思われますので、悪いところも全部理解して自己分析の一貫としておく方がいいでしょう。
「几帳面な人」はどんな人?
几帳面な人の長所や短所を語る前に、まずは几帳面な人というのがそもそもどのような人なのか、その辺りについて基礎知識として述べさせていただきたく思います。
・自分の理念を押し通す
まず几帳面な人というのは、自分の理念を押し通すとかそれを徹底的に追求する傾向が強く、ある特定の何かに関して絶対に譲らない、その部分は何が何でもしっかりとやることが多いようです。
具体的には、他は雑であっても整理整頓はきちんとやるとか、ここに置いてある靴だけは美しく並べておくなど、そういう特定の行動をほぼ確実に遂行しようとするでしょう。
その特定の行動が何かを突き詰めるものであるなら、徹底的に追及したり極めようとしたりなど、そこに100%を求める傾向が強く、時に限定的な分野に限って卓越した能力を身に付けるようです。
つまり、ひとつの事に対する集中力とか、譲れない何かに対するその気持ちの度合いが極めて強い、ある種のポリシー的なものを非常に重視しているのが几帳面な人と言えます。
・拘りが強く綺麗好き
几帳面な人というのは、多くは綺麗好きである場合がほとんどで、例えば自室や車の中は常に美しく保っていなければならない、そしてそれを実行する傾向があるようです。
そして綺麗好きというだけでなく、拘りとでも言うのか配置や物品の置き場所などにも気を払う、または「そこになければならない」と思うようで、実際そこは徹底管理されていることが多いでしょう。
加えて、そこになければならないものが移動している場合は落ち着かず、きちんと元通りの位置に戻すのは当たり前、他人が移動すると激高することも少なくありません。
どうやらその配置や物品の置き場所には、几帳面な人ならではの拘りもそうなのですが、意味だったり役割を持たせているケースが多く、それに伴った結果なのだと考えられます。
・神経質であり相手にも結果を求める
几帳面な人の典型的な特性と言いますか、几帳面な人と言えば直ちに連想するのが「神経質」ですが、おおよそそれは適切な表現であり、おおむねその傾向となるようです。
しかし、多くは自身が神経質と言うだけでなく、相手にもそれを求めたりそれに伴う結果を求めるなど、他人にも神経質な部分を強要することも少なくありません。
例えば、よくあるもので「片付ける時の○○はこの場所に」など、こう言っては何ですがいちいち指定をしたり、指示をしたりなどが目立つでしょう。
そうしないと苛立ってしまう、あからさまに怒りを呈したりなど、時に周囲をその神経質ぶりで困らせてしまう、辟易させてしまうことも少なくないようです。
几帳面な人の長所
前項では、あまりポジティブな意味に思えない几帳面な人の性格ですが、長所と言える部分はたくさんあるようです。
・安定感がある
几帳面な人というのは、その几帳面さを維持していることにより何事も安定している、波形で言うなら常時一定のラインを描いているような状態となることが少なくありません。
それは何かを進める際の安定感にも繋がり、すなわちそれは仕事においてもプライベートにおいても、「何をしても同じ結果になる」可能性が高くなることになるのです。
さらに、几帳面な人はそれらをする為の環境にも配慮する…すなわち、きちんと整理をしたり片付けを徹底していたりで、それは別視点から見れば効率化にも繋がります。
環境がしっかり整っていることから気分的にも余裕が出来る、ゆとりが生まれますので、それも安定した作業や結果を生み出すのに一役買っていると言えるでしょう。
・完成品の程度が非常に高い
自分の理念を押し通し、相手にも神経質さを求めることの多い几帳面な人というのは、当たり前のように自分が行う作業や結果などに対しても、徹底追及の構えを崩さない傾向が強いでしょう。
だから何かを制作した際の完成品などの程度が、とんでもないレベルで高かったり安定して高いクオリティの何かを作り出すなど、もはや才能の一種と思えそうな結果を出すものと思われます。
もちろん制作だけではなく、何かの決め事やスケジュール管理、企画やその他サービスに対しても同じで、それを享受する側はその完成度、クオリティに舌を巻くこと間違いありません。
ただし、それだけの物を作り出したり何かを進めるのに際して、それ相応の時間が伴うのが自然な流れであることから、それなりの時間…つまり作業が「遅い」という状態が少なくないと言えるでしょう。
・失敗が少なくそつがない
拘りが強く神経質なだけに、何をやらせても丁寧な傾向がある為に、必然的に失敗も少ないと考えられますし、何をやらせても多少の時間は掛かるもののそつがないと言えます。
とにかく、量より質な考え方が強いようで、失敗をするくらいなら失敗がない為に時間を掛ける、そこは徹底的に追求するのが几帳面な人の良いところになるのです。
だから仕事上の信頼度は他の追随を許さないレベルとなり、「量よりも質が求められる」事に関しては必ず任される、頼りにされる人材になる可能性が高いと考えられます。
これは几帳面でない人にはまず出来ないものですので、まさに几帳面な人ならではの長所、社会において唯一無二の才能と言っても過言ではないものになるでしょう。
几帳面な人の短所
几帳面な人の様々な長所は前項のとおりですが、もちろんそんな性状が足を引っ張ってしまうことも、悪い方向に作用してしまうこともあるようです。
・案外ずぼらな部分も
実はこの几帳面な人、「几帳面」と言うからには全ての物事を完璧にする、どのような事でも全力を尽くす…訳ではなく、意外とずぼらな部分も少なくないようです。
と言うのも、まず几帳面な人というのは自分の好きな何かや特定の何かに対しては、本当に周囲が不安になる程の集中力を見せたり、徹底的に突き詰めたりするのはこれまでのとおりです。
しかし「それ意外」…すなわち当人がどうでもいいと思っている部分や、必要がないと考えている何かに対しては、全く配慮出来なかったり手を思い切り抜くことが少なくないのです。
まあおおよそそれは本当にどうでもいい部分だったりするのですが、稀に必要な何かをうっかり…という場合もあるので、その際は几帳面な人の資質が全く表れないことになります。
・物事を合理的に考えすぎる
整理整頓とか神経質、拘りの強さなどなど…几帳面な人というのは、その性質上からして不要な物は一切抱えない、必要でないものはどんどん切り捨ててしまう傾向が強いと言えます。
つまり、几帳面な人本人が「それはいらない」となると、問答無用で廃棄してしまったりどこかへ保管してしまったりと、とにかく合理的な考えが強く表に表れてしまうのです。
しかも周囲がそれをストップしたところで、几帳面な人の正論には抗うことが出来ず、逆に言い負かされてしまった末にトラブルに発展する、余計な確執を生むと言った弊害も少なくないようです。
神経質である几帳面な人が、頭の中で完璧なロジックで理論武装しているのですから、大抵の人は口ごもる結果となってしまい、思わぬ反感を買ってしまう可能性もあるでしょう。
・とにかく時間が掛かる
前項でも少し触れましたが、几帳面な人というのは完成度を強く求める傾向が強く、いざ完成すればそれは素晴らしいものだったり、思わず唸ってしまうレベルの結果を出すのはこれまでのとおりです。
そして、それだけの結果を出すだけに時間もそれなりに掛かる…のもこれまでのとおりなのですが、その時間が掛かり過ぎる、許容出来ない範囲であることも少なくないようなのです。
しかし、これが一般的な几帳面ではない人であれば臨機応変に対応して、多少質を落としてでも手早くする、時間を早められるよう意識するのですが、几帳面な人はまずそれを受け入れません。
それこそ質を落とすくらいならやらないとばかりに、周囲がどれだけ何を言おうが耳を貸さず、黙々と完成度を追求した作業を続けることになり、関係者を大いに困らせてしまいます。
どのように長所を生かす?
ここまで、几帳面な人の長所と短所をご紹介させていただきましたが、やはり几帳面な人というのが冒頭でもあったとおり、全面的に良い印象であるかと言うとそうではないと思います。
やはりそれは、長所と短所が絶妙な割合で入り交じっていることで、さらにその内容的にどちらも目立つ、長所も短所も表に出やすい性質があるので、仕方がないと言えるのです。
しかし、もし長所の方が目立つ、長所の方が強く印象に残る几帳面な人であれば、それは几帳面=良い印象となる可能性が高く、それならこれまでの一般認識を良い意味で大きく外せるのではないでしょうか?
もっと分かりやすく言うなら、長所をもっと表に出す、短所を抑えて長所を目立たせるようにすれば、周囲の評価は大きく変わると思われるのです。
では何をどうすればいいかについてですが、まず今回ご紹介した長所と短所は、全て几帳面な人の性質や特徴から来ているもの、そこが大元になっているのはお分かりいただけているかと思います。
完成度が高い物を作り出しても、時間が掛かり過ぎてペイ出来ないという状況は、「完成度が高い」のは良いところ、「時間が掛かり過ぎる」のは悪いところとなります。
では、「完成度の高い」という部分だけがあるなら、几帳面な人にはちょっと乱暴な言い回しとなるのですが、それは良いところ「だけ」になるのではないでしょうか?
つまり、几帳面な人というのはその性状により「やりすぎ」なところがあり、そこを何とかするだけでがらりとイメージが変わる可能性があるのです。
物事を徹底的に追求するのは悪いことではないのですが、何か物事を始める前に抑えるように意識したり、ひとつの方向だけを見ないように心掛けると少しはその性状が緩和されるでしょう。
場合によっては、始める前に目標などを「簡易的に」決めておいて、それを超えてしまうのは避けるようにする、「あくまでそれが完成」という意識を植え付けておくのもいいでしょう。
まあそれだけで几帳面な人が納得するとは思えませんが、今のままでは「有能だけど扱いにくい人物」という評価が拭えませんし、いつまでも几帳面な人の印象は微妙なままですので、少しだけ意識してみましょう。
疲れるのでほどほどに
几帳面でない人からすると、几帳面な人の性格は今回の内容をご覧になっっているだけで、正直なところ疲れてくると思われてしまうのではないでしょうか?
「張りつめている」と思われても仕方がなく、如何に几帳面な人というのが大変であるか、また苦労をしているのかが痛感出来るものかと思われます。
几帳面な人本人も、実のところ疲れることが多かったり負担になるような出来事が多く、大変さを体感出来ているでしょう。
と言うことですので、長所を生かすのも良いことなのですが、几帳面な人はそういう行動も一所懸命されてしまう傾向がありますので、さすがにそれは疲れるということでほどほどにしておきましょう。
何せ几帳面な性格なのですから、「長所を生かす」というベクトルになった場合は、そこに向けて全速前進してしまうに決まっているのですから。
その行動は下手をすれば「短所」となってしまい本末転倒になりますので、そこを念頭に置いてほどほどに長所を生かすよう邁進していただくのが、几帳面な人にはぴったりになるかと思います。
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