心が満たされない人の深刻な症状
満たされない心を放置すると、夜なかなか寝付かれなかったり、夜中に目覚めたりします。 また、食べられなくなったり、逆に食べ過ぎてしまったりといった摂食障害に悩まされることも。
こうした状態が長く続くと、体調が悪くなってちょっと動いただけで大きな疲労感を覚えます。 また、免疫力が低下して風邪をひきやすくなります。
体調が悪いと仕事や勉強にも影響が出て、過労死やいじめの原因になることも。 身体症状がでてきたときは、心の状態を見つめ直す必要があります。
自分でも気づかないうちに深刻な状態になっているかもしれません。
どんなに食べても心が満たされない
ストレスがたまっているとき、心が満たされないとき、人は食べることで心の満足を得ようとします。 甘いものや糖質を食べると体の中にセロトニンというホルモンがたくさん分泌され、精神が安定し、幸福感を覚えます。
チョコレートやお菓子を食べると「なんて幸せなのだろう」と感じるのは、セロトニンの作用のおかげです。 しかし、食べている時に感じていた幸福感は、すぐに消えてしまいます。
不安定な心の状態は改善されていないのです。 甘いものを過剰に摂取すると、糖尿病や肥満の原因になります
自分をごまかしてもなんの解決にもなりません。 根本的な原因を探して、長期的、健康的な解決策を考える必要があります。
どんなに買っても心が満たされない
豪華なバックや高級な靴を、必要もないのに、大量に購入してしまう人がいます。 自分がその価値を認めているわけではありません。
流行の商品だから、有名タレントが愛用しているから、ゴージャスに見えるからという、他人が決めた価値観に踊らされて買ってしまうのです。
このような行動は買い物依存とも呼ばれ外見を豪華に飾り立てることで、自分の価値を高めたいという人がハマります。
自分に自信がない人、何かに不安を感じている人、心が満たされていない人によく見られる行動です。 ありのままの自分の価値を自分自身が認めることで、外見を飾る必要がなくなります。
世界中が敵！憎めば憎むほど満たされない心
心が満たされていないときは、ほかの人の言葉を悪いほうに受け止めてしまいます。 誰が何をしても、自分を傷つける言動に感じてしまうのです。
このような状態のときは周囲の人々がみな敵のように感じてしまい、好意で手を差し伸べてくれる人すら、攻撃と捉えてしまいます。
野良犬のように、救いようのない状態です。
心が満たされない人は人と会うのが億劫に感じる
心が満たされていないときに人と会うと、エネルギーがフルスピードで消耗されてしまいます。 健康な心の状態の人が軽く流せる言葉でも、過剰に反応してしまい、疑ったり勘ぐったりするので疲れます。
相手にもいやな感情が伝わるので、緊張した不自然な空気が流れます。 誰かと会っても自分も相手も楽しめない、そんなことが重なると、誰かと会うのが億劫になってしまいます。
心が満たされない人はいつも疲れている
眠れない、食べられない、笑えない、健康を維持するのに不可欠な要素が欠如すると体調が悪くなります。 体力が落ちて、階段を昇り降りするだけでも息が切れます。
ちょっと走っただけで喉が痛み、風邪をひいて寝込むこともあります。 精神状態の悪さが、あきらかに限界を超えて、からだが悲鳴をあげているのです。
このような状態を放置してはいけません。 根本的な原因を取り除く解決策を見つける必要があります。
満たされない心を持つ人の心理状態
満たされない心の奥底には、承認欲求が潜んでいます。 承認欲求は大きくわけて、嫌われたくない拒否回避欲求と認められたい・褒められたいという賞賛獲得欲求に分けられます。
承認を求めすぎている、あるいは求めているのに裏腹の行動をとると、心が満たされていないと感じるようです。
こうした心理状態は、育った環境や親子関係に問題がある場合があります。 社会の風潮や、自分の好ましくない思考・行動パターンが原因になっていることも多いようです。
認められたいという承認欲求は、とてつもなく強く、大きな欲求と言われています。 その理由は、認められたいという欲求こそが、物欲、出世欲、食欲、性欲など多くの欲求が満たされるための手段として必要だからです。
承認欲求は人の成長に必要ですが、強すぎると満たされない心に苦しむことになります。 まずは自分の心理状態、そうした心理状態を生んだ背景に気づいてください。
偏り過ぎないように、自分の欲求と上手に折り合いをつけることが大切です。
誰とでも上手くやっていこうと考える人は心が満たされない
誰とでも上手くやっていきたい、誰にも嫌われたくないという欲求は、拒否回避欲求といいます。
日本人全体がこの欲求を強く持ち、特に若い女性に目立ちます。 年齢を重ねるとともに薄れていき、50代の女性は20代の女性に比べると３分の２くらいに減少します。
若い、日本人の女性は、嫌われたくない欲求が原因で心が不安定になるリスクが高い、ということになります。
嫌われたくない欲求は良好な人間関係を築く上でなくてはならないものです。 自己主張を適度に抑えて、周囲の人と協調するために必要です。
でも、この欲求が強すぎると、３つの不幸を呼びます。 １つ目は、悪い人間から利用されやすくなります。
誰にも嫌われたくないと願うあまり、ヒモのような男のいいなりになる、押し売りに負けて必要のない買い物をしてしまうという危険があります。
２つ目は、人に賞賛されたときに、恥ずかしい、照れくさいとネガティブな感情が生まれてしまいます。 そこには目立って人に嫌われたくないという思いが働いています。
褒められたいのに、嫌われたくないから、心が不安定になります。 ３つ目の不幸は、人と表面的な付き合いかたしかできなくなります。
本音を語らず、互いに傷つかない上辺だけの会話をするようになります。 でも本心では、もっと内面的な付き合いをしたいと望むから、心は満たされません。
アダルトチルドレンは心が満たされない
アダルトチルドレンとは、親がアルコール中毒などの原因で、安心感のない家庭で育った人の特徴を持つ人たちです。
親が不安定で怒りっぽくイライラしていて不機嫌であったり、酩酊状態で周囲に当たり散らして暴力をふるったりしている家庭では、こどもはいつも不安です。
親を怒らせないように気をつかい、機嫌を伺うようになります。 いざこざが起こらず、みんながおだやかでいられるために自分を犠牲にします。
安心感のない家庭に育った子どもは自己評価の低い、感情表現の苦手な人になりがちです。 自分の感情をおさえて、なんでも周囲の人の意見に合わせてしまいます。
人に自分を見せるのが怖いけど、心の中では誰かと親しくなりたいと渇望します。 こうして、満たされない心を持つようになってしまいます。
より大きな問題は、アダルトチルドレンの特徴を持った人が、一旦だれかと親しくなると、その人間関係にしがみつき、依存してしまうところにあります。
他者に依存すると、いつも不安定で心が満たされない状態になってしまいます。
ありのままの自分を親に認めてもらえなかった人は心が満たされない
子どもは自分が親から認められたと感じることで、他人を恐れない、そして依存しない、健全な人間関係が作れるようになします。
親がありのままの自分を認めると、自分は愛される価値のある人間であることを知ります。 親子関係はあらゆる人間関係の出発点です。
最近では子離れせずに、子どもの人生に侵入し続ける親が増えています。 それなりの条件を満たせば愛情を与えてもいいよ、と子どもの行動をコントロールします。
成績が優秀であれば、東大に入れば、ピアニストになれば、私はあなたを愛します。 条件を満たせば愛されると感じて育ったこどもは、いつも周囲の期待に応えなければならないという強迫観念に支配されます。
権力や地位を持つ人の期待に応えることで、自分の居場所を見つけていくことを処世術とする人も現れます。 こうした処世術を身につけた人は、自分を押し殺すことが習慣化して、自分が何をしたいのかわからなくなります。
自分が何をしたいのかを考えることすらやめてしまうのです。 思考が停止すると、心が空っぽになってしまいます。
もっと認められたい人は心が満たされない
承認欲求は嫌われたくないという拒否回避欲求と、認められたい褒められたいという賞賛獲得欲求に分かれます。
褒められたいという願望は、向上心や努力の原動力になります。 しかし、今の社会では、この欲求を適度に抑えることが難しく、もっともっと褒められたいと願望が膨れ上がっています。
これが、満たされない心理状態を生むのです。 Youtube、SNSの普及は、人々の心をより虚しくしている原因の１つです。
認められたい願望は男女とも20代で最も強くなりますが、これはYoutube、SNSをよく利用する世代と重なります。
Youtube、SNSの普及により、昔は一部の有名人や芸能人しか持つことができなかった発信の場を普通の人が持つようになりました。
こうして、誰からも認められる可能性と同時に、世界中の人から承認が得たいという欲望を持つようになったのです。
SNSを発信しても、タレントや有名人と違って、普通の人が多くの人に注目される確率は、それほど高くはありません。
認められたいという欲求は満たされぬまま漂ってしまいます。
期待値と現状の差が激しい人は心が満たされない
期待が大きすぎて裏切られれば、不満を感じます。 かつての社会では、承認条件がある程度決まっていました。
能力、成績、経済力、親の地位、家柄によって自分の将来にどれだけ期待していいのか測れたのです。 現在の社会では、自分の将来や報酬にどれだけ期待していいのか判断がつかないことがあります。
インターネットの普及やグローバル化で海外の情報が短時間で日本に送られます。 すると価値観が多様化して、これまで見過ごされてきたものが認められます。
小学生のYoutuberが短期間で数千万円稼ぐこともあります。 人工知能やインターネットの発達により、翻訳家や会計士、デザイナーやライターが不要になる時代がすぐそこまで来ています。
私たちは何をしたらどれだけの報酬が得られるのかわからなくなってしまいました。 高い報酬を期待して一生懸命努力したのに、何も得られなくなる可能性もあります。
漠然とした不安で心は怯えています。
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