指輪の起源
指輪がプロポーズの必須アイテムのようになったのはなぜなのでしょう?
指輪なしでのプロポーズはあり得ないのでしょうか?
ギリシャ神話にこんな話があります。
人類の創造主であるプロメテウスは、全知全能の神ゼウスのいいつけに背き人間に火を与えました。
未熟な人間に火を与えることは、災いを招くとしていた神々の見解を証明するかのように、人類は火を用いて武器を作り戦争を始めるようになるのです。
天空の神ジュピターは、人類に火を与えたプロメテウスを3万年もの間、コーカサスの岩に鎖でつなぐという試練を与えました。
鎖でつながれたプロメテウスは、ハゲワシにその内臓を啄まれ続けました。
その様子を憐れに思ったジュピターはプロメテウスの鎖を外すのですが、巨神族のタイタンが鎖をリングに換えプロメテウスの指にはめることを提案。
そのときにコーカサスの岩の一部も取り付けられたのです。
恐らくは、その過ちをプロメテウスに忘れさせないためでしょう。
そんないわれを受けてのことなのでしょうか。
指輪は戦利品として略奪されてきた女性にはめるものでした。
女性が逃げ出さないようにはめたと言いますから、よほどサイズが小さくきついものだったのかもしれませんね。
そのころは鉄の輪だったそうです。
それが古代ローマでは武勇の証として、騎士が身に付けるものへと変化していきました。
神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世は、ブルゴーニュ公の娘マリアとの婚約の証として指輪を贈りました。
戦争が常態化した当時のローマでは、さぞ栄誉なことだったのでしょう。
ともあれ、これが婚約指輪の始まりではないでしょうか?
もともとは、暗い意味を持っていた指輪は大出世を遂げたわけです。
古代エジプトでは、永遠を意味する輪が結婚を表す文字(象形文字)だったとも聞きます。
壮大なバック・グラウンドを持つ婚約指輪ですから、プロポーズの際に指輪なしというのは悲しい気がします。
マクシミリアン1世とマリアの政略結婚は、決められていたことでしたがなかなか実現には至らなかったのです。
でもブルゴーニュ公国内が混乱した際に、マリアが救済を求める形で結婚が決まります。
マクシミリアン1世は、マリアに指輪を贈ることで彼女の立場を守ったのではないでしょうか?
落ちぶれた公女ではなく、戦乱の世に立ち向かう同士として武勇の証である指輪を贈ったのです。
これから生活を共にする彼氏からもその証をいただきたいもの!
プロポーズするというのは、人生の一大事なのです。
その思いを込めるのが指輪である以上、やっぱり指輪なしは考えられない。
……と言いながら私は指輪なんてい~らないという人間だったので、偉そうなことは言えませんが。
プロポーズのおまけのように扱われるのなら、いっそ指輪なしもアリかなとは思います。
マクシミリアン1世とマリアの時代には、象徴的な意味で必要だった指輪ですが、現代においては心の問題のような気がします。
お互いがお互いを認めて、これからの生涯を共にすると決めたこと。
それを心に刻んでさえいれば、プロポーズに指輪なしは全然OKでしょ。
プロポーズに指輪なし派はもはや主流?
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