これは、恋愛以外においても多くの人がこのように感じているのだな、ということをよく思います。
他人と深く関わったり、意見をしっかり交わし合い、打ち解け合うことを避けたりするような雰囲気がありますよね。
最近特に同世代(20代前半~中盤)の初対面の方とお会いして話をしていると、私は打ち解けて話の終盤にみなさんへ「人見知りですか?」と尋ねます。
そうすると9割は「人見知りです」と返ってきます。
私は絶対に、「人見知りには見えないですけどね」と答えます。
それは「あなたの初対面の人に対する対応は間違っていないよ。自信を持って」というエールのつもりです。
ただし、どうしようもない人も中にはいます。
私は元々、高校までは周囲も認めるほどの人見知りで周りからは冷たい人だと思われていました。
ですが、大学時代から人見知りを克服しようと思って色んな人に笑顔で話しかけるようにし、とにかく色んな人と話をするようになりました。
誘いには出来る限り応じるようになりましたし、授業にもたくさん出て学科外の友達もたくさん作りました。
うちの閉鎖的な学科(というより建築学科というのは仲間内でものづくりをする学科なので、学科の仲が異常に良かった)では、珍しいくらい他の学科の友だちが多くいました。
私も建築学科の友達よりも、教職の友達のほうが、ウマがあったというのもあるのでしょう。
とにかく色んなことがあって人見知りを克服した私ですが、なんとなく最近他人と関わって感じることは「初対面の人と会う緊張感」や、「打ち解けあっていない人との気を使った会話」このような事に対する小さなストレスやフラストレーションさえも回避しよう、避けようとする人が増えたのではないかということ。
よく「最近の子は怒られる経験をしていない」「叱られ慣れていない」という言葉を聞きますよね。
そりゃ景気も悪くなったり、SNSなどの発達で直接的なやりとりをしなくても他人との会話ができたりする世の中です。
保身に走ろうとする…というと言い方は悪いですが、自分を守ろうとする心の作用は誰しも当然なので何も悪意はありません。
ただ、身を守ろうとする防衛本能のようなものや、できるだけ心が受けるショックやストレスを和らげようという自浄作用は当然のものといえるでしょう。
そういう経緯から、自分を大切にするあまり、他人との小さな衝突や他人に感情を動かされることを厭うようになったというのが、私の感触としては正しいような気がします。
特に恋愛というのは自分自身をさらけ出すものであり、むきだしになった心が受けるダメージやストレスは、大きいものになりうると思うのです。
友情よりも、もっとむき出しの状態です。
恋愛中の心というのは甲冑を着ていない武士のようなもので、非常に過激だしやることなすこと無茶ばかりで、やせ我慢も多い精神論ばかりのものです。
そういう面で見れば、恋愛をするとそういうむき出しで無邪気で、普段社会の中で使っているよりも低次元の未熟な精神をさらけ出すのだから、受けるダメージや反応が大きいのも当然です。
それは感動であり、悲しみであり、喜怒哀楽すべての刺激に対する反応という意味において。
つまり長々とここまで言ってきたことをまとめると、普段の他人との関わりでさえ煩わしいと思う・厭うような人たちにとって、そういうむき出しの心が直接、大きな感情の波にさらされるようなことは耐えきれないわけです。
だから恋愛に臆病になる。
傷つくのが怖いし、他人とこれから関係を構築していくのも、その間に何度も衝突や仲直りを繰り返すと思えば面倒、感情を揺さぶられずにただ穏やかに日々を過ごしたい、と願うのは当然だということです。
わざわざ揺さぶられていたら精神が持たないほど仕事に疲弊している若者が多いというのも事実であり、そういうものすべてが日本の未婚率を上げているというのは間違いないでしょう。
もちろんこのコラムの主旨としては、恋愛をしたいならそこをどうにか感情をむき出しにして、たくさんの痛みにさらされてでもいいと覚悟を決めなさい、恋愛をしなさい、というが筋なのでしょうが…。
こういうふうな現状をどう捉えているのか、自分もそこに該当するのか、該当しているとしたらその現状を踏まえて「恋愛したい」と思うのか、もう一度吟味していただきたいのです。
でも、そういうふうにそれをいい方向に捉えられる方と、そうでもない方がいるだろうし、なんなら人って生きていく上で考え方が変わるものだから、そう思えないという方に無理強いをしても仕方ないと思っています。
いまはそのタイミングではなかったということ。
この機会に再度、こういう現状に対して自分はどう思うか、自分は今後どうしたいと思うのかを自分に問い直してみてはいかがでしょうか?
好きになれない、恋愛が億劫#2:恋愛ゲームやアニメなどで満たされているから
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