「知れば迷ひ知らねば迷はぬ恋の道」土方は佐絵を思ってこんな句を読んでいます。
それを沖田にからかわれるシーンはなんとも微笑ましいのですが、その切ない思いこそ、はじめて土方が恋だと認めたものだったのでしょう。
だからこそ、京で再会したいまの佐絵(武州で土方と離れ京へ出て嫁いだはずでしたが、土方はいまの佐絵の様子を見て紆余曲折ありながら金のない町暮らしをしていることを悟りました)と逢わねばよかったとさえ思わせたのでしょう。
いかがでしたか。
今回は長くなるために3つに絞りましたが、どれも私のとっておきを選んだつもりです。
私が時代小説作家の中で最も尊敬する司馬遼太郎先生を選んだのは、殺伐とした男性社会の中でも唯一と言っていいその人の恥部であり可愛らしさでもある恋をみずみずしく書き立てられるのはこの先生ならではだと感じたからです。
ご自身の広大なバックグランドと、生々しい人間らしい営みを鮮やかかつ大胆に描くその手腕によって読む誰もを飽きさせない作品の作り手であると、私は信じています。
少しでも気になった方は、色んな本を書かれているので自分の興味のあるものからお手にとってみて下さいね。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
※本ページはプロモーションが含まれています。