それは、ドM女ちゃんが、小学校の時でした。
S美ちゃんとドM女ちゃんは、同じクラス。
S美ちゃんは、ドM女ちゃんよりも、かわいい顔をしていました。
わかりやすい顔なのです。
ぱっちりお目めに、口角がきゅっと上がった口。
髪の毛も肩まで届く髪をカールさせたませたガキです。
ドM女ちゃんと言えば、ごく平均的な容姿です。
奥二重の目に丸いお顔、少し厚ぼったいくちびる。
決して不美人ではないのですが、大勢の人がS美ちゃんのかわいらしさに吸い寄せられます。
顔がかわいいと得する。
それは悲しいかな、現実です。
しかも、S美ちゃんは、気が弱いらしく、ある日、不登校になります。
なんでも学校の門をひとりでくぐるのが怖いらしいです。
元気なドM女ちゃんは、学校大好き!
S美ちゃんの気持ちがわかりません。
「誰かお家に迎えに来てくれないと、学校に行けない。ドM女ちゃんに来て欲しい」
とぬかしたのです。
バカな担任の先生は言いました。
「ドM女ちゃん、仲良しでしょ。毎朝、迎えに行ってあげてね」
ドM女ちゃんは小学校三年生。
先生の言い付けを断ることができません。
また、ドM女ちゃんのお母さんも良い人でS美ちゃんのために、
「毎朝、10分早起きして、行ってあげなさい」
なんで!私が!そう言いたいけど、言えない状況を大人たちによって作られたドM女ちゃん。
大人たちは、かわいいS美ちゃんを心配してる。
私が我慢すれば、先生も安心するし、お母さんも褒めてくれる。
悲しいことに、ここで、ドM女ちゃんの一生は、ほぼ決まってしまうのです。
女王様タイプと僕タイプの誕生です。
もちろん、嬢王様はS美ちゃん、毎朝、お迎えが来ても、ホットカーラーで髪を巻いているからと待たされます。
ドM女ちゃんは、早起きをして迎えに来ているのに、玄関で待っているのです。
そう、子供のころに、良い子でいなさい!と、育てられたドM女ちゃん。
「S美ちゃんなんて、大キライ。私は、家来じゃない」
と、言えれば人生は変わっていたのです。
でも、当時のドM女ちゃんがそう言うのは、全世界を敵にまわすほどの勇気がいることでした。
勇気を出してトラウマを捨てよ!
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