学生の頃
みなさんもいくつか百人一首を覚えた記憶があるのではないでしょうか?
わたしも確か中学と高校でそれぞれいくつか覚えさせられましたが、結局大学に入ってからはすっかりその存在自体忘れてしまっていました。
けれど、大人になってからふと読み返してみると、自分の経験をさらに深くしたような、もしくは自分が夢見るような恋の世界にうっとりとしたものです。
今回は「甘い恋の歌」をテーマに、百人一首から六首ご紹介します。
(訳は私なりの意訳であり、正確な直訳ではありません。できるだけお心に届きやすいように砕いている部分がありますので歌の中の言葉遣いや文法、言葉の意味が知りたい方は調べてみてくださいね♪♪)
【一首目】筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて ふちとなりぬる ――陽成院
【訳】筑波嶺(筑波山)から流れてくるみなの川の流れが次第に太く深くなっていくように、この恋心もしだいにつもりつもっていまはあなたがこんなにも恋しい
「恋ぞつもりてふちとなりぬる」の部分がずっと初めてこの歌を習った時から好きでした。
ちりも積もれば…と現代でもよく言われますが、恋の思いも、日を、時を重ねるごとに次第に増してゆきますよね。
それと似たところがあるようです。
この歌の美しさは、自然と筑波山を流れる細く美しい川の流れを想像させてくれるところにあるような気がします。
私がこの歌に抱くイメージは色づいたもみじと川のせせらぎですが、あなたはどうですか。
【二首目】立ち別れ いなばの山の みねにおふる まつとし聞かば 今帰り来む
【訳】あなたと離れてしまう身なれど、あなたの「待っています」という一言で、すぐにあなたの元へ戻ってまいりましょう。
国事によって遠くへ行かねばならぬこの歌の歌い主が、送別の宴で詠んだというこの句。
それを聞いてしまうと恋の歌ではないようにも聞こえてしまいますが、この心が誰かの元にあるもので、それをあえて宴という全員の前で歌って聞かせたのだとしたら…なんて素敵な恋の想像も膨らんでしまいますね。
こちらの歌について面白い記事をみつけました。
なんと、おまじないに使われていたのだとか。
たとえば、飼っていた猫が行方不明になった時、おばあさんなどが、この歌を短冊に書いて、猫の皿を伏せてその下に置いておくのを見たことがありませんか?この歌は、別れを惜しむ歌ですが、一方でいなくなった人や動物が戻ってくるように願う、おまじないの歌でもあります。出典:http://www.ogurasansou.co.jp/site/hyakunin/016.html
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