この歌があてられた相手は、伊勢で巫女となり、その任を解かれた後でした。
巫女でいる間は当然恋愛など禁じられていますが、それが終わった後であれば…という期待も、彼女の親の反対により儚く弾けてしまったようです。
そして結局叶わぬ恋となるわけですが、その最後、つまり別れの言葉すら直接あって伝えることもならなかった、という悲恋を歌ったものです。
人づてでしかその思いを伝えられない、というのは胸が切り裂かれるほどつらいものでしょう。
いかがでしたか。
せつない恋を自ら望むことはないのでしょうが、その人を取り巻く環境や相手の心情など様々なものに干渉されてしまうのが恋というもの。
その模様が様々な色を映しだすから、恋は美しい歌題になるのでしょう。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。