セクハラの怖いところの一つに、原因が勘違いされやすいところにあると思います。
というのは、セクハラって男女間の問題(もちろん同性でもセクハラはありえますが)とされやすいので、いわれのない侮辱を受けることがあります。
わたしも経験がありますが、「あなただってあの人に少なからず好意はあったのでしょう?」とか、「あなたが思わせぶりな態度を取るからだ」と言われるのです。
誰だって、職場で心地よく働くために上司や先輩、同僚に向けての「職場での顔」があると思います。
ワガママ言わず、文句を飲み込んで愛想よくしていたり、つまらない冗談に付き合って笑ったり、行きたくもないランチに誘われてしぶしぶついていき、ニコニコして愚痴を聞いてあげたり。
そうでなくとも、職場は自分の思うことすべてを、思うように言動に出せるような場所ではないと思うのです。
それを「好意があった」とか「思わせぶり」と取られるのは、ひどい侮辱だと思いませんか。
ここで心を閉ざす女性って多いと思います。
誰も私を信じてくれないんだ、と。
「職場の顔」を好意だと勘違いされたら、たまったもんじゃないと思うのです。
勘違いされたくないからと言って無愛想にしたり、上司や同僚のランチの誘いを「嫌です」とハッキリ断ったりしたら、職場での立ち位置がどうなるかなんて想像に易いもの。
こんな板挟みの状況を、どう解決して折り合いをつければいいのでしょうか。
そんなことまで仕事のうちに入るのでしょうか。
だとすれば、どんなに愛想よくしていても(セクハラに発展してしまうような)好意として受け取られない男性社員が、憎らしく感じてくるものです。
勘違いする上司や同僚が悪いと、なぜそんな簡単な結論にたどり着くことが、こんなに難しいのでしょうか。
もちろん、こちらだって勘違いされるようなヘタなボディタッチや言動は、もちろん慎んでいます。
そのうえで、最低限愛想よくしているだけ。
なのに、勘違いして当然と取られる。
このことが非常に女性を追い詰めるのです。
私も実際にそういう目に遭って、自分がどう振る舞えばいいのかわからなくなったことがありました。
ただでさえ、男女関係の面倒なことに巻き込まれたくないと、自分なりの「モテる女の子」要素をすべて排除したのに(それが自分らしさの一つであることがあっても)。
ある意味で自分らしい姿を殺して、偽って、「女性らしさがない」「色気がない」と言われつつ(余計なお世話だし職場に色気なんかいらないのに。女性であるがゆえにそんな余計なことを言われながら)振る舞っていたのに。
それなのに「思わせぶり」だと言われて、とてもつらかったのです。
その頃は必死で、「モテる女子の特徴」みたいなキュレーションメディアの記事を読み漁り、それに反することをたくさんやりました。
今思えばバカだなと思いますが、本当に必死でした。
それでも、上司の執拗なセクハラは止まず、その上司が職場でも強権者で、誰も触れたがらないような人だったために、誰にも助けてもらえず、時には生贄のような感じで同僚や先輩から上司に差し出されることもあり、息苦しくなってその職場を辞めてしまいました。
そのときのことを今振り返っても、悔しい気持ちでいっぱいです。
私はその職場でキャリアを築いていくつもりでしたが、そこで終わってしまいました。
セクハラとそれに不随するいくつかの問題に屈して、わたしは自分の描いていたキャリアを諦めたのです。
2.味方を増やす方法
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