今の自分とは違う自分を演じたい
女性をロールプレイしたいという感情に近い心理ですが、この場合のネカマは「女性」ではなく「今の自分」に焦点を置いています。
これがどういうことかと言うと、今の自分ではない違う自分を演じられれば別に女性でなくても良く、女性というのは手っ取り早い手段のひとつに過ぎないだけなのです。
なので、今の自分以外を演じられるのがとても簡単なネットゲームで、女性キャラクターを作ってそれになりきっているのだと考えられます。
おそらく今自分が置かれている環境とか状況など、とにかく現実社会に大きな不満を抱えている背景があることが多く、それの回避行動のひとつとしてネカマを選んでいるのでしょう。
ネットで、しかも女性であれば、完全に今の自分ではない別の自分ですので、それを演じているのはとても楽しいでしょうし、男性が現実社会を忘れる手段としてはとても効果的です。
それに女性であれば、周囲の男性からちやほやされる可能性が極めて高く、それも相まってとても気分が良くなれるでしょう。
加えてネット上でしかもゲームなどなら、努力しても報われないことが多い現実社会と違って、頑張れば頑張った分の見返りが約束されていますし、そちらの方が「やりがい」があるのです。
ちょっと屈折した考え方に見えますが、昨今は特に「努力が報われない」傾向が強いので、こんな男性が増えるのは自然なことなのかもしれません。
とは言え、その結果ネカマだなんてあまりに惨めですし、少しくらいの現実逃避は許せるとしても、ある程度気が晴れたら改めて現実社会で頑張っていただきたいものです。
いくら努力が報われても、それはただのデータ上のことでしかありませんし、しかもそれはいずれ消えていきますので、一生消えない現実社会での経験などをひとつでも得た方がよほど身になります。
女性と接点を持ちたい
ネカマはあくまで「過程」、求めるものはその先にあるネカマも数多く存在します。
ではネカマの何が過程かですが、まずネカマが女性を演じている男性であることは、これまでの内容でお分かりいただいているかと思います。
それは傍から見れば、バレさえしなければ「完全に女性」ですので、ネット上では女性として扱われることになります。
と言うことは、まずネット上で接点を持ちやすい相手となるのは、同性である女性になりますよね？
出会い系じゃないのですから、見知らぬ誰かと接点を持つ場合、そしてそれが女性となれば、当然同性となる女性と接点を持ちたいと思うのではないでしょうか？
ネット上で「完全に女性」と扱われているネカマなら、接点を持とうとしてくる相手に女性が多くなることは、流れ的にも自然だと言えるのです。
ではこのネカマ、女性と接点を持ちやすい状況にしておく、またそれで接点を持てたとして何がしたいのでしょうか？
その答えは「出会い」です。
ネカマは、ネカマという手段を出会いのツールとして利用し、自分を女性と出会いやすい場に身を置いておこうとしているのです。
最初から男性だと、ネット上では女性に警戒される恐れがあるので、まずはそこのハードルから下げてしまっているのです。
ただそれだと、最初に女性として接している以上後に引けないとか、カミングアウト自体が「嘘」と捉えられて、相手の女性に引かれてしまうのではないかと考えると思います。
それについては、相手が女性と分かればかなり早い段階でカミングアウトをし、ネカマであったこと自体をなかったことにしようとしたり、そもそもネカマじゃない風に誤魔化そうとするでしょう。
要は、出会いさえ達成すればネカマなんてどうでも良く、ネカマはただの手段、そこに何のこだわりも信念もないのです。
このタイプ、ネットスラングで言う「直結厨」というカテゴリに分類されます。
とにかく女性と出会えるような環境を作って、出会えれば早々にオフ会などを企画し、実際に出会えたらエッチにもつれ込もうとするのです。
それにしても、どうしてわざわざそんな回りくどいことをして出会おうとするのか、別に出会い系サイトとか合コンとかの方が、出会う率としてはよほど勝ると言えます。
おおよそこの手のネカマ、出会い系サイトなどは騙されそうとか、そういうものを利用する女は不浄と考えている節があり、ゲーム等なら健全（と本人が思っているだけ）としているからのようです。
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