世論調査では
なおこの「エモい」、世論調査によるとこの言葉を知っている人が約6割、知らない人が約4割という比率になっているようです。
さらにその中で、「エモい」を使う人は1割程度のようで、よく使われる人はさらにその1割程度……つまり、実のところ世間ではほとんど使われていないと言えます。
最も多いのが、「エモい」そのものを使うことはないけれども、言葉があるということだけは知っている、その存在は認知しているという人です。
統計的にはそのような人が5割…要するに、「ほとんどの人は使わないけど、言葉があるという事実だけは認識している」というのが、大多数となる訳です。
この事から、ネット等では本当によく見かけるこの言葉であるものの、使用実数はかなり少ない、ほとんど居ない…でも流行言葉となっているというおかしな現象を起こしています。
これで分かるのは、ごく少数の「エモい」を多用する人の声が大きい、目立つ位置にいる…つまりはそういう人目に付くところで使用するケースが多い人ばかりが、「エモい」を使うのです。
ですので、「エモい」を一般化して使おうものなら、5割の人が知っているだけで使っていない事から、引かれてしまう可能性がありますのでご使用の際はここにも注意して下さい。
何せ知っていても使わないのですから、それは「エモい」が合わない、その言葉をあまり快く思っていない表れとなりますので、多用することで引かれてしまうのは十分に考えられることなのです。
もっとも、言葉だけは知っている5割の人たちも、かなりの割合で「エモい」に対して誤った認識をしているようです。
先にある、エッチな写真や動画などに対して、エロさを感じたり気持ちの悪さを感じたことで「エモい」、単純にその風景とか写真とかに、「田舎」とか「自然」を感じたから「エモい」。
さらに気持ち悪いの略語である「キモい」の発展型、または別の言い回しとして使う「エモい」…など、このような認識であることが大半のようですので、場合によっては思わぬ解釈をされてしまうことも?
まあ、使わない人からすれば流行言葉なんてその程度のものでしょうから、今後もその認識が変わることもないでしょうし、おそらくこのまま消えゆく言葉なのだと思われます。
「エモい」をご紹介しておいて、なんたる言いぐさかと思われるかもしれませんが、人の歴史において流行言葉というのは数年で消えゆく、いえもっと早いものであるのが通念です。
そういうことですので、使われる人は適切な場面で、そして適切なタイミングで、旬を味わえるという気持ちで使うくらいの方が、正しい使い方と言えるのかもしれません。
使いすぎるのもちょっと
この「エモい」、やはり流行言葉であることからすぐに廃れてしまう傾向があり、適切なタイミングを逃すと文字通り「寒い」結果を引き起こすことになりかねません。
だから使いすぎることでそれを見失ったり、引き際を誤ったりしてしまい、SNS等なので「今更何を言っているんだろう」なんて、そういう印象を与えてしまうことが懸念されます。
まあ自分の好きな言葉で、好きなように使うのですから問題はないのですが、やはりSNSなどを利用されている人は発信している訳ですから、わざわざ周囲を不快にさせてしまうのもどうかと思います。
ですので、はっきり言って寿命の短い言葉だと考えられますので、ある程度使って「はい次」の方が上手く流行に乗れるかと思いますので、そういう使い方も一考の余地ありでしょう。
さらにこの言葉、先にもある通り感情などの言葉に出来ない何かを、「エモい」と一緒にしてしまっているので、多用してしまうことで一種の弊害を引き起こす可能性があります。
それが何かと言うと、「エモい」が一緒になることから表現力の低下とか、「エモい」しか使わなくなることで起こる語彙力の低下など、言葉に関する能力が全面的に下がってしまうことが懸念されるのです。
人は、ひとつのことを繰り返すとそれだけに特化してしまう反面、他のことがおざなりになることで他が一律低下してしまうという特徴を持っているのは、ある程度お分かりいただけるところかと思います。
しかもひとつのことに特化と言っても、「エモい」が特化したところで流行言葉である以上どうやっても発展はしませんので、つまりは失うものが多くなるという結果となってしまいます。
このように、たかが言葉、たかが「エモい」ではありますが、案外流行言葉というのは扱いが難しく、適切な運用が求められる部分があるのです。
それを知らずして流行言葉ばかり使用する人は、何となく知性に欠けるとか普段の言葉が出てこないなど、周囲から見ても自分視点でも思い当たるところがあると思うのです。
そんなに難しく考えなくても、と思われるかもしれませんが、昨今の日本語は造語だったり和製英語など様々な言葉が溢れており、正しい日本語が使われなくなる傾向があるのは否めません。
それに伴い、本来あるべき日本語を失ってしまうなどの結果になってしまえば、今後困るのは当人となりますので、そういう意味でも流行言葉の運用には気をつけるところがあると思うのです。
と言うことでこの「エモい」、たかがひとつの流行言葉と考えずに、あなたの言葉の未来を考えるひとつのきっかけとなれば、言葉として生まれた価値はあるかと思います。
つまりは使い方
この「エモい」という言葉についていろいろと記述しましたが、感覚的な部分に頼ることから案外使いにくい、使う人を選ぶところがあると言えるのではないでしょうか?
それこそ堅い人だったり理詰めで物事を考える人だと、どの場面でエモいと言っていいのか分からなかったり、そもそも使いどころがないと思うのです。
そういう性質がある言葉ですので、あまり深く考えずに気軽に使う、且つそれでいてしっかりと意味は理解しておいて、適切な場所で使えるのが最良だと思います。
昨今様々な造語が生まれ続けています。
それらを自然と使いこなす人は本当にすごい能力だと思うのですが、あまりそういう造語、新語に振り回されると、本来の日本語の使い方を忘れてしまいかねません。
だから正しい言葉だけは事前にきちんと理解しておいて、その上で造語を使うという構図であるのが、最も言葉遊びが出来るものと思われます。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
※本ページはプロモーションが含まれています。