前編でお伝えしたように、人間は満たされない欲求があると、それをどうにか満たそうとして動くようです。
もし自慢してしまいがちなのであれば、他人から価値ある存在だと認められたいという承認欲求が。
卑下して他人からのフォローを期待してしまうのであれば、誰かからかまってほしい、つまり愛の欲求が強いもしくは満たされていないのではないでしょうか。
そこがわかれば、もうあとはそれをどう満たすか、という対策を取ることができます。
まずは自分が何に対して承認欲求を認めて欲しいのか。
他人より仕事を頑張っていること?
それなりのお給料をもらってお金があること?
稽古などを頑張って、他人とは違うスキルを身に着けていること?
そこをまずは明確にしてみましょう。
そして、次はその足りない欲求を満たすところです。
地道に小さな自慢を繰り返して満たそうとするのも、試みとしては悪くないのでしょうが、他人との関係を考えた時、どうもよくなさそうです。
もしスキルなどを認めて欲しいのであれば、その筋のコンクールや試合で実績を作ればいいし、仕事を頑張っているというのであれば社内でMVPを狙うしかありません。
つまり、言いたいのは欲求不満というのは目標を作り、それを目指すきっかけになるということです。
前編では、それをすべて満たせば人格者になるのではないかとお伝えしましたが、すべての欲求を満たすことはマズローも認める通り非常に難しいことです。
ですから、とても精神的に苦しい作業ではあると思いますが、一つずつ自分の欲求にまともに向き合ってみて、それをどこであれば実現できるのか、探し求めてゆくのがもっとも近道なのではないかと思います。
これができれば、日常の会話でふと自慢話をしそうになったときも「私はまた自分の欲求をこんな些細な事で、周りからの印象を悪くしながら実現しようとしている」と自分を制することが出来るはずです。
即効性があるのは、そこで歯止めをかけられるという点でしょうか。
まずは、それを手近なメリットとして、自分のほんとうの欲求を見定めてみるところから始めるのが良いのではないかと思います。
今の境遇を楽しめる強さと逃げについて
これについて、著者が特別設けた節などがあるわけではありません。
しかし、本書を読んでいて私が「この著者にはこういう資質がある」と感じたからこうして書かせていただくのです。
これも非常によく言われることで、「ピンチをチャンスに」とか「どんな境遇に置かれても楽しめる」とか、そういう表現がなされることが大抵です。
この「どんな境遇でも腐らない」というのは、どうにも人生において非常に大切らしいとも思うのです。
理由は自分に還元されるメリット(特に精神的、情緒的に)が多いこと、そして時間の無駄にならないこと、周りの印象が良くなることなど枚挙にいとまがありません。
でも、具体的にどうすればいいのかを紹介している記事は非常に少ない。
なので、それをこの本から抽出してみようと思います。
まずは本書で著者が言っていたように、嫌いな人からでもナニクソと思っていいところだけは学んでやるということ。
これは、その人に対して全く敬意がない状態からでは非常に難しいことです。
「確かに実績はあるんだけどあの性格ではね…」というくらいなら試してみる価値があります。
これを成功させるためには、その人のことを単なるマッチ棒だと考えることです。
つまり、その人の性格などの情報を一切排除して、ただの人物という無機質な物体のように勘定すること。
わざわざ良いところを抽出するために、相手の性格やその他不要な情報まで思い出す必要はないのです。
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